恨みはくにさつちの尊は万続ぎ一條金銭縁談は続がる全て続がるものが切れたら恨み。此の世は万続がって保たれ物が完成し用成し円満に成り立つ美しいので有る人間真実誠に依って互いに睦まじく親しむ続ぎ合う故美しく陽気に幸福に通れる。恨み妬み悋気嫉妬は皆人と続ぎを切った埃。又人と続がらぬ続ぎを切る心なり。続ぎを切るから続ぐべき所を続がぬ故恨みの理となる此の神様の御恩を無にする心、続ぎたい一條の御心故、恨みそねみの嫌いなる神様なり。
我が身を恨めて人を恨まぬが此の神様の御心に添う。人を恨めば切れる、我が身を恨んで通る故、我が身がきれいに成る。人と続がる、徳が進む、出世する。我が身を恨むと云う心が続がる理也、天に続がる綺麗な美しい心なり、不足が有って恨み合いの理が即ち続ぎが切れる理。我が身恨みて居れば世界中でも続がるが、人を恨めば夫婦親子でも切れる。
我が身を恨むという理を知らざれば我が身の徳は出来ぬ、心は作れぬ、進まぬ。我が身の懺悔も出来ぬゆえ、只人を恨んで居たら何時迄たっても悪因縁を切らして貰う事が出来ん理である。欲が深い故、心が暗い、曇る、晴れん、明るないから陽気がない。我れの欠点が分らん、人の欠点だけ、人が悪い、人が届かん、無理とのみ思い人を恨むえぐい心。人を続がぬ故薄情、人が続がらぬ欲から高慢になる。
例えば、人より侮られ、恥辱を受け、我が身不仕合せの事や思う様に成らん事、全て我れに恨むべき事情が我が身に係り来るは皆我れの因縁であると静かに我れを顧み、心をしらべて見れば必ず我れに其の理由種あり。天命を悟りて我れの不丹精不勉強力の足らぬ届かん所、徳の足らぬ所、我れを恨みて我れが低うなって人を悪いと人に非難を入れず、我が身が一層奮励努力勉強して向上する徳を積んで行く。人と続がる、天に続がる故、何事も完全に上達し一層有徳の人に進む事が出来る。人を羨み人を敵とするものは日々に徳を落とす。
難儀するのも心から我が身恨みであるほどにと仰せ下されて有る通り、皆我が身に係るは我れの因縁懺悔の道で有る。足納して、切れる道、我れの悪質欠点を知りて我が身の完全に進む道が分る理なれば人を恨むは全く天理に添わぬ故、神に切れ、人に切れ、神にも人にも嫌われる人間の美徳を落とす。恨みより腹立ち憎みとなって我が身を害し社会を害する事になる。
皆我が身を恨み、我れを顧みて心進むものは徳が出来、人を恨むものは徳を落とし罪悪を作る。我が身から出た錆とは知らず人を恨むは小人の常と云うて、昔より僅かの事を遺恨にして無暗に人を憎み、或いは人を殺害し、人を滅ぼし一生涯をあやまり、汚名を後世迄残したる例話も沢山ある如し。
進む事を知って、退く事を知らず。前の敵は受けても後の敵は受けられんという例えの如く、人間は日々過去を顧み、我が身を顧みて段々改良して行く故、失敗は成功の基となり完全になるが、只向う行き計りで心一歩退いて我が身を調べる事を知らざる時は失敗が多い。あたかも足の踵は後に退く理で畜性には踵がないが如く、畜性は向う行きが強がばかりで負ける事を知らぬものなり。
人間には踵と云うものがある。あとを見て通るから踏み違いがない。例えば、人の穴、欠点を見て不足する、我れの欠点を見ぬ、只人を恨む。我が身の因縁を顧みて日々人に負けて通るから徳がつく。御教祖は世界にどんな雛形もある、人のふり見て我がふり直せとも仰せられた。見るも聞くも我れが因縁有り、此の世は神の世界、天理、世界中の事が皆天理神の御心が現れて居る。我れの心より我れに係り来る理はない。又人を殴った者は迫らずに殴られた者が迫るという事が有る。人を殴った者は誤ったと慎み改良でもする如し。殴られた者は彼奴/\と恨み、日々心発散せず埃を積むから病の本を作り迫るが如く天の理は形より心の理が重い。
例えば色情の因縁有る者はりん気心も強い、全て色情のみならず何事にも其の道に好きな熱心な者がりん気、好きな道故心が寄る。酒にせよ女にせよ好きなもので埃を作り、怪我をする、之れが因縁。因縁と因縁が寄るから益々因縁を深くする。切れん因縁は心の道と仰せられた。埃を切るから神に続がる何事も切らねば続ぐ事は出来ぬ。
例えば夫が間女房をするとせば、妻は夫を恨まず我れを恨んで、是れは我れの因縁である前世に夫を粗末にして貞女をかぎたる理があって、今生日々に心が合わん夫に対する行き届かん徳がないのであると一層夫を大切にして、我が心の懺悔する心なれば、足納は前世因縁の懺悔で我が心段々綺麗に成るので、埃が切れるから我が身に徳が出来ると共に、悪因縁が切れて神の守護で夫が遂に感心して改良して以前より一層円満になって来るが理。
もし妻が之れに反して、只夫が悪い/\と只人を恨む一方にて我が身の行き届かぬ性質欠点も、我が身を顧みる事なくして夫に不足、腹立ちの欠点や穴ばかり挙げて反対するとせば、我が身の懺悔も出来ず我が身の徳が落ちるばかり故、心は乱れ家庭が治まらんのみならず、益々夫に嫌われて切れ一家の乱れるが如し。
段々と激しく恨み残念の心重なれば、或いは気が違って我れの恥を世間に晒すような者もある如く、全て我れが恨み残念腹立ち憎む悪性質の者は、必ず人にも恨み残念腹立ち憎みを与える性質故に迫るなり。皆心得違いゆえ、心が違うなり。乱心とも云う五臓の連絡始め精神の働きは神が続いで心が働く、其の連絡が人間の埃が強い為切れ乱れるから心魂の働きが出来ぬ神が切れる。
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